中澤 きみ子(なかざわ きみこ)は、日本のヴァイオリニスト。夫は「ヴァイオリンドクター」とも呼ばれる弦楽器製作家、修復家の中澤宗幸[1]。
脚注[編集]
樹の精霊の歌を聴く ──ストラディヴァリウスと津波ヴァイオリン
17世紀のイタリアに、「樹の精霊」の歌声を聴くことのできたひとりの天才的ヴァイオリン製作者がいました。アントニオ・ストラディヴァリ、彼が90年の生涯をかけて作った至高の名器「ストラド」は、300年間世界の名演奏家達に愛され、弾き続けられ、21世紀の今もヴァイオリニスト達の垂涎の的です。ストラドはなぜ300年間も現役の名器として生き続けることができたのか?
その謎に答えることのできるひとりのヴァイオリン製作者が21世紀の日本にいます。
中澤宗幸、愛称ムーニー、兵庫県生まれ、72才、今ストラドを所有する世界の名演奏家達が、挙(こぞ)って彼の下を訪れ愛器の修復や調整を依頼しています。
彼がこんなことを言っています。
「ストラドは単なる楽器(モノ)ではありません。魂を宿した有機体・すなわち生き物です。生き物である限り身体(からだ)は必ず老いてゆきます。しかし、魂=樹の精霊は、歴代の名演奏家達が奏でた音魂を記憶し続けています。その音魂の記憶が、21世紀の秀れた演奏家と出会い、新たな美しい音楽として甦えることを願って私も修復・調整しています。ストラディヴァリは、樹の精霊の声にしたがってストラドを作ったのですから。」
「ストラドは単なる楽器(モノ)ではありません。魂を宿した有機体・すなわち生き物です。生き物である限り身体(からだ)は必ず老いてゆきます。しかし、魂=樹の精霊は、歴代の名演奏家達が奏でた音魂を記憶し続けています。その音魂の記憶が、21世紀の秀れた演奏家と出会い、新たな美しい音楽として甦えることを願って私も修復・調整しています。ストラディヴァリは、樹の精霊の声にしたがってストラドを作ったのですから。」
3.11大震災の日、中澤さんは東京の工房で、一台のストラドの修復作業の途中でした。想像を絶する宇宙的な力に依って、一瞬の内に崩壊してゆく人間の日常生活と生命の営み。その映像を前に茫然自失の日々が続きました。そんなある日、陸前高田の「奇跡の一本松」と破壊された民家の木材が「瓦礫の山」としてテレビに紹介されました。
その映像を観ていたヴァイオリニストのきみ子夫人がこう言いました。
「お父さん、あれは単なる瓦礫ではありません。永年、家の柱や梁として人と共に生きて来た記憶を持っています。あの木や奇跡の一本松を使って新しいヴァイオリンが作れないかしら。」
「お父さん、あれは単なる瓦礫ではありません。永年、家の柱や梁として人と共に生きて来た記憶を持っています。あの木や奇跡の一本松を使って新しいヴァイオリンが作れないかしら。」
中澤夫妻は今、NPO法人「命をつなぐ木魂の会」を立ち上げ、津波ヴァイオリンとストラディヴァリウスを使った連続コンサートを続けています。彼らもまた「樹の精霊の歌」を聴くことのできる人なのでしょう。
中澤 宗幸 著作:
一把提琴,可傳達喜悅、歡樂或哀傷;一把來自311大地震漂流木所製作的小提琴,琴聲不只充滿不捨、苦澀,更展現了希望。今天我與提琴修復師中澤宗幸大師透過一把提琴牽起台日音樂交流,經由信義國小及高雄中學同學們的音樂,傳達人們在面對災害的堅毅及再生。
漂流木在災害發生時可能曾是誰的浮木,如今,它化身為提琴在世界各地傳遞希望及期待。311地震後,中澤大師利用災區漂流木製成提琴,今年2月日方更將其中一把提琴帶來高雄,用琴聲相互答謝台灣在311期間的支援,以及日方在莫拉克風災及高雄氣爆事件後的協助。如今,琴韻繞響,安定人心,提醒我們不忘天然災害的無情,更省思生態保護的重要性。
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